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恒久的な観光地づくり

2008年03月01日

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 ラジウム温泉峡として知られている須玉町増富地域は、六十五歳以上の高齢化率が六二%以上(市の平均二八・六%)と高く、また、遊休農地も六〇%を超えているといわれている。

 「増富地域に元気を取り戻したい」と「財団法人みずがき山ふるさと振興財団」の小山芳久総支配人(53)は、地域の活性化策について「今年は大事な年です」と語る。

 「至れり尽くせりは、都会でやってもらい、ここの自然環境を残した上で、村おこしをする」と話し、「この地域に住んでいるお年寄りを元気にするにはどうしたら良いか」と考える。

 農山漁村プロジェクト

 活性化策の一つとして「増富地区再生計画」という案が進められている。この計画を進めるため、地元参加による「増富再生協議会」の設立をめざしており、三月十五日には、旧増富中学校を会場にしたシンポジウムを予定している。

 この計画は、総務省と文部科学省、農林水産省の三つの省が進める「子ども農山漁村交流プロジェクト」を睨んだもの。  国が進めるプロジェクトは、学ぶ意欲や自立心、思いやりの心、規範意識などを育む教育活動として、小学生を対象に農山漁村で長期宿泊体験を推進するというもの。

 全国の小学校二万三千校の一学年一百二十万人を目標にしており、今後五年間で宿泊体験の受入れ体制の整備や地域力をサポートする全国推進協議会の整備などを行う。

 平成二十年度の取り組みとしては、農山漁村で一週間程度の宿泊体験活動をモデル的に実施し、活動を通じた課題への対策、ノウハウの蓄積を行うことにしている。

 小山総支配人は「ここには、農地や山林、登山もあり、いろんなものを絡めた学習ができる。研究会をつくり、ここの歴史や文化、伝統、行事、食文化などを再発見し、関わった人が増富の案内人になってくれれば」といい、「子供たちの民泊も含まれるので、地元のコンセンサスが必要」と、地元の協力者を募っていくことにしている。

 「案内人は、ボランティアではなく、こずかい程度が入るようにしたいし、そうすることで張り合いがでる。この地域を訪れた観光客にも、(案内人が)地元言葉でいいから話しかけるようになれば、『なんていい町だ』と思えるようになるのではないか」と増富案内人の役割の大きさを語る。

 「増富中は、特殊な存在です。サマースクールに対応できれば、都会の子供が、ここの風を受け、瑞牆山をみながらできる授業を提案してみたい」と、次の段階も考える。

 循環型の観光地づくり

 増富の湯の燃料代は、年間一千二百万円かかっているとして、森林資源を活用して温泉の熱源に活用する「バイオマスタウン構想」の検討も行っている。

 「バイオマスによって削減した経費を山林の費用として使うことで、山林も良くなってくるし、経済的な効果が高いと思う」と、間伐材などの高度利用に触れ、「何かをする時は、不自然じゃなく、世の中のためになると思ったら、やろうと思う」と話す。

 その例として、増富の湯の自家農場では、有機農法による野菜の生産を行っている。この場所は、一㌶ほどの遊休農地を活用しているもので、将来的には無農薬で作物が作れるように土壌改良も行っているという。

 「高齢者は大きな規模で(農業は)出来ない。小さい規模で、無農薬でつくってもらい、温泉峡で買って、使うことで、食のPRに繋がり、お互いにいい関係になる。そういうサイクルをつくりたい」、「温泉峡はリウマチや癌のお客様も多く、今に即したオーガニックな食の提供が出来れば、インパクトがあると思う」と地元の食材提供を考え、「食の安全が求められているので、大きな武器になる。自家農場にこだわりたい」と意欲的に話す。

 今春、新バスルート

 四月からは「茅ヶ岳・みずがき田園バス」の運行がスタートする。JR韮崎駅を起終点にした「明野みずがき線」と「明野津金線」の二ルートの運行が予定され、おいしい学校やミサワワイナリー、ハイジの村、増富ラジウム温泉峡など、明野と須玉の主要ポイントを通過する。

 「いい盛り上がり方をしています。一施設だけが突出してお客を呼ぶのではなく、地域全体で魅力づくりをする。これから日帰りや宿泊プランなどをつくっていく」とバスルートの開通に向けた取り組みにも着手することにしている。

 「この地域が良くならなきゃ、お客も『行ってみたいな』とならない。行って気持ちが元気になるところを探しているので、地域が元気でないと。だからこそ村づくりが大切です」と地域の元気づくりを語る小山総支配人は、大勢の人がドッと押し寄せる地域ではなく、地域の規模にあった自然を壊さない恒久的な観光地づくりをめざしている。


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