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付加価値で滞在型観光地 キープ協会常任理事 桶本隆男さん
2008年10月01日

年間百万人以上が訪れているという財団法人キープ協会は、清泉寮をはじめ、キープ自然学校、県立八ヶ岳自然ふれあいセンターのほかに、物販関連の施設を有する観光スポットとして人気の高い場所だ。
キープ協会の常任理事を務める桶本隆男さん(53)は、ポール・ラッシュ博士が創設したキープ協会の存在意義が問われていた昭和五十五年に就職した。
◆起死回生の観光ブーム
「一九七〇年代後半から八〇年前半は、病院をオープンしたが、一、二年で閉鎖する事になり、また、ポール・ラッシュ博士が亡くなるなど、財政的にも厳しかった時代」と当時を回想する。
危機的な状況を救ったのが、観光ブームの到来だった。夏だけ販売していたソフトクリームを通年に切り替え、ネイチャーセンターを建設して、環境教育事業をスタートさせたのは八〇年代前半。
その後、フィリピンのツルガオでの国際協力事業、ポール・ラッシュ祭の開催、「清里の父 ポール・ラッシュ伝」の連載と右肩上がりの時代が到来する。
「データのとり方は今とは違うと思うが、九一年が観光客のピークで、二百六十万人が訪れている。当時は、(大河ドラマ)武田信玄のブームも重なっていた」と話す。
ピーク後の清里の観光客数は、年々下降傾向になり、先が見えない長いトンネルを歩くことになるが、ブームが去ったとはいえ、未だに多くの観光客が涼を求めて清里を目指している。
◆客層に変化
「清里を訪れる客層が変わった。ピーク時は、若い女性客が清里を引っぱり、その若者が結婚して、家族として清里を訪れ、最近では壮年の層が増えている。清里は、観光客の幅が広くなったと思う」という。
◆変わる観光
「(観光客数は)今ぐらいが、ちょうどいいのかな」と集客増を見込んだ観光スタイルからの脱皮の必要性を語る。
観光客が増加すれば、消費は多くなるが、環境や衛生、治安などの別の問題も浮上する。滞在型の新しい過ごし方の提案で、付加価値を見いだしたいという。
一つの方向性として「環境教育を始めて、新しい観光地の過ごし方を提案できた。時代の変化に叶ったので、支持を得て事業として確立できた」という。
◆都心から近いが強み
「これからのリーディング産業は、観光といわれているが、宿泊客が全体の一割ではリーディング産業とはいえない」、「これを何とかしたいと思う」と桶本さん。
団塊の世代を対象にしたロングステイのモニタリングでは、人気が高いのは北海道と沖縄だが、生活圏を考えると、長期間家を空けるには抵抗があるといわれている。
「北杜市ならすぐに行ける距離だし、東京から幾つもの峠を越えるので、たった二時間で、環境が違う世界がここにはある」、「移動時間が少なくて来ることができるので、いろいろなプログラムを提案すれば、一泊が二泊に変わるのではないか」と語る。
「今の観光客数を二倍に増やすには無理がある。多く人を呼ぶよりも、確実に宿泊してくれる割合を増やした方が高率的」といい、新規顧客を獲得するための、宣伝費や労力から考えると、現在訪れている観光客の宿泊割合の一〇%程度を新たな付加価値で滞在型にし、一五%、二〇%に増やした方が、宣伝費や労力などを違った方向に向けることが出来て、収入増にもつながるという。
◆プログラムの可能性
以前の体験プログラムは、インストラクター一人に対して、参加者が五十人という形態だったが、多様化の時代によって、ニーズは少人数の参加型のプログラムに変わりつつあるという。
今後は、少人数のプログラムの提案をしながら、どうビジネスに繋げて行くのかが課題だという。
◆地域参加型観光へ
今春から長期滞在型の観光地をめざしたコンソーシアムの事業がスタートした。
「ポール・ラッシュ博士は、清里モデルをつくった。地域でリーダーになる人を育て、持続可能なコミュニティにして行くことが大きな仕事になる」、「みんなが問題意識と知恵を総動員できるファシリテーター(住民参加型)が必要」と話す。
◆カンティーフェア
十月十八、十九日に開催する「カンティーフェア」では、地産地消の問題をはじめ、注目を集めている食の安全、太陽光やバイオディーゼル燃料などの環境問題をクローズアップすることにしており、キープが考える滞在型観光地の一端が垣間見えそうだ。
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年間百万人以上が訪れているという財団法人キープ協会は、清泉寮をはじめ、キープ自然学校、県立八ヶ岳自然ふれあいセンターのほかに、物販関連の施設を有する観光スポットとして人気の高い場所だ。
キープ協会の常任理事を務める桶本隆男さん(53)は、ポール・ラッシュ博士が創設したキープ協会の存在意義が問われていた昭和五十五年に就職した。
◆起死回生の観光ブーム
「一九七〇年代後半から八〇年前半は、病院をオープンしたが、一、二年で閉鎖する事になり、また、ポール・ラッシュ博士が亡くなるなど、財政的にも厳しかった時代」と当時を回想する。
危機的な状況を救ったのが、観光ブームの到来だった。夏だけ販売していたソフトクリームを通年に切り替え、ネイチャーセンターを建設して、環境教育事業をスタートさせたのは八〇年代前半。
その後、フィリピンのツルガオでの国際協力事業、ポール・ラッシュ祭の開催、「清里の父 ポール・ラッシュ伝」の連載と右肩上がりの時代が到来する。
「データのとり方は今とは違うと思うが、九一年が観光客のピークで、二百六十万人が訪れている。当時は、(大河ドラマ)武田信玄のブームも重なっていた」と話す。
ピーク後の清里の観光客数は、年々下降傾向になり、先が見えない長いトンネルを歩くことになるが、ブームが去ったとはいえ、未だに多くの観光客が涼を求めて清里を目指している。
◆客層に変化
「清里を訪れる客層が変わった。ピーク時は、若い女性客が清里を引っぱり、その若者が結婚して、家族として清里を訪れ、最近では壮年の層が増えている。清里は、観光客の幅が広くなったと思う」という。
◆変わる観光
「(観光客数は)今ぐらいが、ちょうどいいのかな」と集客増を見込んだ観光スタイルからの脱皮の必要性を語る。
観光客が増加すれば、消費は多くなるが、環境や衛生、治安などの別の問題も浮上する。滞在型の新しい過ごし方の提案で、付加価値を見いだしたいという。
一つの方向性として「環境教育を始めて、新しい観光地の過ごし方を提案できた。時代の変化に叶ったので、支持を得て事業として確立できた」という。
◆都心から近いが強み
「これからのリーディング産業は、観光といわれているが、宿泊客が全体の一割ではリーディング産業とはいえない」、「これを何とかしたいと思う」と桶本さん。 団塊の世代を対象にしたロングステイのモニタリングでは、人気が高いのは北海道と沖縄だが、生活圏を考えると、長期間家を空けるには抵抗があるといわれている。
「北杜市ならすぐに行ける距離だし、東京から幾つもの峠を越えるので、たった二時間で、環境が違う世界がここにはある」、「移動時間が少なくて来ることができるので、いろいろなプログラムを提案すれば、一泊が二泊に変わるのではないか」と語る。
「今の観光客数を二倍に増やすには無理がある。多く人を呼ぶよりも、確実に宿泊してくれる割合を増やした方が高率的」といい、新規顧客を獲得するための、宣伝費や労力から考えると、現在訪れている観光客の宿泊割合の一〇%程度を新たな付加価値で滞在型にし、一五%、二〇%に増やした方が、宣伝費や労力などを違った方向に向けることが出来て、収入増にもつながるという。
◆プログラムの可能性
以前の体験プログラムは、インストラクター一人に対して、参加者が五十人という形態だったが、多様化の時代によって、ニーズは少人数の参加型のプログラムに変わりつつあるという。
今後は、少人数のプログラムの提案をしながら、どうビジネスに繋げて行くのかが課題だという。 ◆地域参加型観光へ 今春から長期滞在型の観光地をめざしたコンソーシアムの事業がスタートした。
「ポール・ラッシュ博士は、清里モデルをつくった。地域でリーダーになる人を育て、持続可能なコミュニティにして行くことが大きな仕事になる」、「みんなが問題意識と知恵を総動員できるファシリテーター(住民参加型)が必要」と話す。
◆カンティーフェア
十月十八、十九日に開催する「カンティーフェア」では、地産地消の問題をはじめ、注目を集めている食の安全、太陽光やバイオディーゼル燃料などの環境問題をクローズアップすることにしており、キープが考える滞在型観光地の一端が垣間見えそうだ。
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