できごと

ヤマネの赤ちゃんが誕生

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国の指定天然記念物で、準絶滅危惧種のヤマネの調査研究を行っている高根町清里の「やまねミュージアム」(湊秋作館長)で、雌のヤマネが六月二十日に三匹の赤ちゃんを出産し、七月十日現在、一匹が飼育箱の中で順調に育っている。

やまねミュージアムでは、ヤマネの繁殖と生育を今年度の研究テーマに掲げており、六月十二日に、キープ協会の敷地内の森で妊娠している雌のヤマネを見つけ、ミュージアム内の飼育箱で観察を続けてきた。

その後、二十日に飼育箱を確認したところ、全長約二㌢の小さな三匹の赤ちゃんが産まれているのが確認されたという。

三匹の赤ちゃんのうち二匹は、それぞれ、六月二十四日と二十六日に死亡したが、一匹の赤ちゃんヤマネは順調に成長を続けており、七月五日時点で、全長約五㌢、体重約七㌘の大きさまでに育ち、背中部分には毛が生え始めている。

湊館長は、「これまでの調査で、清里地域のヤマネが最も出産するのは、六月二十三日前後というデータがあり、今回の出産は、データの裏付けができた」と語り、「絶滅危惧種の繁殖や子育ての研究は、生体維持に重要なテーマとなるので、出産から子育てまでの貴重なデータを取っていきたい」と話している。

同館によると、飼育中は母ヤマネを刺激しないように、ミュージアム内での展示は行わず、ヤマネが親離れをする七月下旬に、二匹に発信機を取り付けて森に返すことにしている。