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九月五日、高根町の清泉寮新館で、「第十回金田一春彦ことばの学校」が開催された。

ことばの学校は、金田一春彦氏が寄贈した二万冊以上の蔵書や資料を活かし、ことばの魅力を通して地域文化の発展、県内外の人の文化交流を目的に開校し、今年は十周年の記念事業として、ゲストに女優の竹下景子さんを迎えて行われた。

当日は、学校の雰囲気さながらにチャイムの音が鳴り、一校時から五校時まで、約三百七十人が参加した。

金田一春彦氏の著書「日本語は京の秋空から」の一節「嫁ぐ―赤縄の縁」の朗読で始まった三校時では、竹下景子さんと金田一真澄校長、田中美奈子副校長との対談が行われ、金田一春彦氏との思い出話をはじめ、竹下さんの出身地である名古屋の方言や言葉をはじめ、ドラマや舞台、ラジオ、家族のことなどが話題に上り、竹下さんは現代の若者の言葉について「ら抜き言葉と短縮する言葉には馴染めないですね」と話した。

また、竹下さんは「嫁ぐ―赤縄の縁」の一部を名古屋弁で朗読し、「名古屋弁には名古屋人の気質、土地柄が表れている」と笑顔を見せ、童謡「赤とんぼ」を歌う一幕もあり、最後には松井今朝子著「吉原手引草」の朗読で芸者を演じ、参加者は竹下さんの語りの世界に浸った。

五校時には、「たまにはゆっくり話してみませんか」をテーマに、金田一秀穂さんの講演が行われた。秀穂さんは来場者からの質問に答えながら話を進め、言葉と文化、国民性のつながりや、若者言葉と文化の関連性について、わかりやすく説明した。

秀穂さんは、「言葉はお互いに仲良く気持ちよく生きるために使う」といい、「普段使う言葉、自分の身にそぐう言葉が最も美しい品格ある日本語だと思う」と語った。会場は笑い声あふれる和やかな雰囲気に包まれた。

このほか、「もろこし畑」「白いボート」などを披露した山梨英和大学アカペラサークル「1LDK」コンサートや、方言川柳入賞作品発表と表彰、作品の解説、一九八七年に金田一春彦氏が名付けて誕生した「東路流日舞」も披露された。

閉校式で、田中美奈子副校長は「父から唯一教えられたことは、いくつになっても学ぼうという学者としての姿勢、向学心。今日は向学心あふれる方が集まり、皆さんの熱い想いに支えられて実現できました」とあいさつした。

◇方言川柳結果子どもの部 ▽金田一春彦賞 千野郁哉(泉中一年) ▽山梨県知事賞 松岡由樹(駿台甲府小十歳) ▽北杜市長賞 細田林太郎(小泉小六年) ▽審査員特別賞 加藤あずさ(泉小六年) ▽ことばの学校優秀賞 戸島佳菜子(韮崎西中一年)岡村麻衣(韮崎西中三年)齋木亮真(武川小三年)依田卓也(駿台甲府小九歳)原智(駿台甲府小十歳)田中裕貴(小泉小六年)清水政宗(明野小六年)

◇方言川柳結果大人の部 ▽金田一春彦賞 深澤弘(甲府市) ▽山梨県知事賞 雨宮澄子(甲州市) ▽北杜市長賞 金丸豊子(市川三郷町) ▽審査員特別賞 大原喜与次(笛吹市) ▽ことばの学校優秀賞 大森隆(笛吹市)浅沼正春(長野県)上野美どり(笛吹市)小池眞雄(市川三郷町)吉村幸(和歌山県)藤本陽子(北杜市)土肥芳子(和歌山県)


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