くらし

地域の財産にー巨大な天井画を寄贈

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4月8日、釈迦の誕生日といわれる花祭りの日に、明野町の浄林寺(中田直道住職)では、巨大な天井画「釈尊御降誕歓喜図」の開眼法要を行った。

これは、浄林寺の開創830周年を記念して制作されたもので、日本インターネット作家協会会長で日本画家の北條楽只(らくし)さんが、縦2.65メートル、横15.7メートルという巨大な天井画を描き、寄贈した。

当日は、約30人の参拝者が訪れ、本堂に設けられた釈迦尊像に甘茶をかけた後、北條さんが天井画の釈迦の心臓部分に赤色の銅泊を張り付けて最後の筆入れをしたことで天井画が完成し、中田住職が点眼法要を行った。

構想と制作に2年を費やしたという「釈尊御降誕歓喜図」は、パネル48枚と北條さんの出身地である市川三郷町特産の手漉き和紙を使用して制作されており、宮大工の野田重雄さんの指導により、外側から止め跡が見えない吊り天井工法を採用し、天井に掲げられている。

北條さんは、平成17年に、天井画「曼荼羅華図」と障壁画「八ヶ岳と神田の大糸桜」を浄林寺に寄贈しており、今回の作品は以前の2作品と共鳴するようにとの思いで制作された。中田住職からは、「すべての人々に対する愛情や慈悲の心をもって描いてください」と要望があったという。

釈迦の誕生をイメージした今回の天井画は、岩絵の具を使って赤と青の2匹の龍、そして青の風神、赤の雷神がダイナミックに描かれており、曼荼羅華(マンダラゲ)の花びらが舞う極彩色豊かな作品に仕上がっている。中央のトリプルレインボー(三重の虹)の中には33人の神々が釈迦の誕生に歓喜する様子が表現され、龍が微笑んでいる表情も印象的だ。

中田住職は、「この絵を通し、生きとし生けるものすべてが幸福になるようにという気持ちをもってほしい」といい、北條さんは「この天井画を地域の財産としてほしい。この絵が永久に残ることで、この寺から平和が発信されてほしい」と話している。

浄林寺の天井画は一般開放しており、見学は要予約。問い合わせは電話25-2520まで。