できごと

川島教授の講演会、「脳を鍛える方法」伝える

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北杜市介護支援課地域包括支援センターでは、9月11日、須玉ふれあい館で、「今日からできる介護予防」の集いを開催した。

この集いは、認知症や介護が必要な状態になることを予防するための具体的な方法を知り、地域全体で予防活動に取り組むことを目的に開催されたもので、当日は約230人が参加した。

あいさつに立った白倉政司市長は、「これほどたくさんの方が参加してくださったことは、市民の健康に対する意識の表れだと思う。北杜には元気老人が多い。今後も情報を公開し合い、研究を重ねてほしい」と話し、続いて「地域で実戦する介護予防活動」と題し、地域で積極的に介護予防に取り組んでいる市民による体験発表が行われた。

小淵沢町の新海泰雄さんは、医療費が高額であることから、病気を予防しようとストレッチを始めたことをあげ、「自分は健康老人でなければならない。市では、ストレッチなどの運動を継続的に続けていく方法を考えてほしい」と語り、高根町の清水正次さんは、五町田の長寿会で健康体操を始めたことを発表して、脳を活性化する体操を紹介した。

東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授を迎えた講演会では、「脳を鍛え、認知症を予防する」をテーマに行われた。

『脳を鍛える大人のDSトレーニング』を開発した川島教授は、冒頭で、加齢を否定するイメージのある「アンチエイジング」に対して「年齢とともに人生が豊かになる知的な成熟の実現」として「スマートエイジング」という言葉を紹介してから、脳の一部である「前頭前野」の働きを説明。実際に、参加者にテストを出して、前頭前野による自発性や記憶、思考、コミュニケーションなどの機能を具体的に伝えた。

そして、「脳科学者として、前頭前野を鍛える方法を見つけることができれば、認知症という病気を持ちながらも家族と一緒に幸せに暮らせる社会がつくれるかもしれないと思った」といい、「元気な脳のつくり方」として「基本的生活習慣が大切。朝食の質と脳活動は密接に関係しており、朝食を抜くと、脳の活動が二割下がる。パン食より米食のほうが脳の発達を促し、おかずの量が多いほど脳の働きが良くなる。食材としては豆がお勧め」と語り、様々な角度から脳を鍛える方法を紹介した。