天狗山

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街は桜待ち、梅が咲き、若葉青葉と移り行く中、馬越峠に降立った時は「う~寒い」と、思わず口走る、山は早春、シャクナゲも未だ先の様だ。天狗山は標高の高い山ではないが、山名に相応しく、岩山で尾根筋コースは、急勾配で狭く、足場も一苦労する。

スリップすれば、崖の下と思うと、さらに恐怖心は膨らむ。落石の「ラックー」「ラァクー」の警告に、靴中の足は一段と緊張し、ギコチナクなる。でも、素晴らしいのです。

金峰山・瑞牆山・曲り岳・茅ケ岳の向うに、銀色に輝く、南アルプス・北岳・甲斐駒・仙丈ケ岳の眺望。

振返れば、若葉が未だ芽を出せていない木々の間に見る、浅間山の雄大な姿や、白い稜線で描く、北アルプス、鹿島槍・白馬三山と南八ヶ岳の男性的な雄姿。  やっと、辿り着いた岩の山頂、三六〇度の大パノラマに、さらなる感嘆の声が出る。

富士山は山並に隠れ見えなかったが、日本の名峰が集結したこの景色、青空の中、一筋の飛行機雲、思わず笑みと共に、大自然に「ありがとう」…この季節、この山に「一期一会」。

(斉木いま子)