できごと

映画「道〜白磁の人〜」完成試写会開く

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明治二十四年に高根町五町田(旧甲村)で生まれ、大正三年、日本の植民地下の韓国に渡って朝鮮総監督府山林課の林業技術者として、乱伐ではげ山同然になった山々の緑化に精を出す一方で、朝鮮王朝時代の「白磁」の美しさを紹介する活動を行った「浅川巧」の生涯を伝える映画「道〜白磁の人〜」(高橋伴明監督)が完成し、二月十五日に、甲府市のコラニー文化ホールで、完成披露試写会が開催された。

試写会の冒頭、あいさつに立った映画制作委員会の長坂紘司代表は、「浅川巧さんの生き方は、諸問題解決の一助になるのではないか」と日韓両国の友好に期待をよせた。

映画製作社を代表して株式会社アマゾンラテルナの倉内均社長は、「韓国のオープンセットを使い、全体の九割を韓国で撮影した。歴史的な映画になると確信しています」と話した。

試写会では、浅川巧(吉沢悠さん)が韓国に渡る決意をしたことや当時の韓国の様子、生活雑器だった白磁への思い、露天埋蔵法という発芽方法の発見、独立運動の動きなど、揺れ動く浅川巧の心がスクリーンに映し出された。

また、巧の親友役の李青林(ぺ・スビンさん)は、巧に韓国語を教え始める部分から、様々な部分で行動を共にし、巧を理解しようとする一方で、韓国人としての立場など、友情と苦悩を表現した。試写会終了時には、会場から大きな拍手が湧き上がった。

試写会後に登場した 吉沢さんは「映画を作るのは、日本と韓国も一緒で、『良い映画にしよう』でまとまってきた。ぺ・スビンとの親友関係が築け、大変よりも楽しかった方が多かった」と、日本と韓国の懸け橋になる映画に仕上がったと語った。

全国ロードショーは六月九日からになることが発表され、県内ではTOHOシネマズ甲府で上映される。