できごと

食料自給率の低下に警鐘鳴らす

社団法人韮崎青年会議所(麻川仁理事長)では、六月三日「大人塾 放射能問題とTPPによる私たちの食」と題した講演会を韮崎駅前の韮崎市民交流センターニコリで開いた。

講師の東京農業大学名誉教授の小泉武夫氏は、「食料生産者が弱体化している」と語り始め、日本の農業従事者の平均年齢が六十七歳と世界的にも高いことや、耕作放棄地の面積が、埼玉県全体と群馬県の一部を加えた広さになっていることを紹介した。

また、世界から見た食料自給率が、アメリカやカナダ、フランスなど一〇〇%を超えている地域に比べ、日本は三九%で、「危険というより深刻です。食べ物が無くなる」と警鐘を鳴らす。

さらに、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)によって、日本の自給率は一〇%台になるとし、貿易の自由化でのメリットがある一方で、農産物の減少や海外の人件費の安い地域に工業製品が移る傾向を紹介した。

小泉氏は「生命維持産業の根源の大切さを教えてこなかったのがいけない」と話し、食料自給率を上げるために、イギリスの取り組みを紹介したほか、国内で行われている農業生産者の取り組みと六次産業などについて語った。