くらし

シルクロードの饗宴、葡萄とワインの文化めぐる

長坂町の平山郁夫シルクロード美術館(平山美知子館長)では、富士の国やまなし国民文化祭提案事業特別企画展「シルクロードの饗宴〜葡萄とワインの文化をめぐって〜」を開催している。十一月十一日まで。

今回の展示では、シルクロードに沿って育まれたワインと葡萄にまつわる収蔵美術品約百点の展示をはじめ、日中平和友好条約が結ばれた昭和五十三年に、平山郁夫氏が中国トルファン市で描いた素描「トルファンの葡萄」、スケッチ、資料なども展示している。

展示は四つの章に分かれ、第一章の「饗宴のはじまり〜地中海世界におけるワイン文化〜」では、紀元前十三世紀の葡萄園の売買に関する粘土板文書や紀元前八世紀頃の祭礼用の杯「フィアレ」、葡萄がモチーフになっているランプなどを紹介する。

第二章では「ワインの広がり〜シルクロードに沿って〜」で、西アジアのワイン文化やペルシアの銀器、ガラスの酒器、円形切子碗とササン朝ペルシア、ガンダーラ美術にみられるワイン文化などを紹介している。

続く第三章では、「東南アジアに伝わるワインと葡萄唐草文」で、人がモチーフになっている胡人俑(こじんよう)や楽人俑(がくじんよう)、海獣葡萄鏡、葡萄唐草文金更紗などを展示する。

最後の四章では、「トルファンの葡萄と平山郁夫の中国西域旅行」とし、昭和五十三年夏に約一カ月間にわたり北京、トルファン、クチャ、カシュガル、天地など、中国西域のシルクロードの取材旅行を行った。その時に描いた作品「トルファンの葡萄」、「スケッチブック」、「アクスオアシスの村」など、当時の取材ノートと共に紹介している。

問い合せは☎32・0225まで。