見上げてごらん

八ヶ岳の星空の魅力 その1

みなさん、しし座流星群をご存知ですか?流星群というのは、彗星が通って行った軌道の周辺にチリが帯状に漂っているところがあり、その中を地球が横切ることで流星がたくさん見える現象です。地球はこの帯を毎年1回横切るので、毎年大体同じころ見えます。

流星群には、放射点という星が流れて来る源を示す仮想の点があります。しし座を源とする流星群なのでしし座流星群というわけです。しし座流星群は、毎年11月18日頃がピークです。このしし座流星群には思い出があります。

まずそのひとつ、1998年でした。当時はしし座がどこにあるのかも知りません。友達に「ああ、冬の大三角のプロキオンの左くらいだよ」と教えてもらい、11月18日、早朝3時頃家族を起こしてみんなで見ました。

このころは、手元にデジタルカメラがなかったので、フィルムカメラで15枚ほど撮ってみました。中には火球のような大きい流れ星が流れて、その後ぼわっと煙が起こったみたいになり、光のベールが残るようなものもありました。写真はその煙(流星痕)です(1998年11月18日、午前4時12分撮影)。

もうひとつ、2001年のことです。この時は、イギリスの天文学者のデビッド・アッシャーという方が、「33年ぶりにたくさん見えるはず」と予言していて、マスコミにも大きくとりあげられていました。

この時はしっかり準備して、ビニールシートを庭に敷き、その上に電気コタツをおき、コタツにあたりながら家族みんなで見ました。11月19日、午前2時〜6時くらいまで、この時は雨のように、1分間に60個から100個ぐらい見えました。ただ、写真は撮ったものの、露出を絞り過ぎて暗くなり、かすかに数枚写っていただけでした。

その後も毎年、このころになると「ああ、しし流星群が来るか」と思うのですが、天気がよく、月明かりもない日にはなかなかあたらず、この時のように沢山見えたことはありません。

みなさん、今年は一番多く流れる11月17日の夜は、満月過ぎの月明かりで見えずらいかもしれませんが、流れ星を見てみませんか。

霜月や

天の獅子吐く 星明り

(文:斉藤泰文)