八ヶ岳南麓の冬の衝立

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数年前の11月21日に八ヶ岳稜線が白く覆われたのを見て、翌早朝に横岳へ登った。杣添(そまぞえ)尾根を辿り、登りついた標高2800㍍の稜線は冠雪ではなく、霧氷だった。

八ヶ岳の縦走路を境に長野側の山肌が行者小屋、赤岳鉱泉の登り口まで真っ白な霧氷で覆われていた。

霧氷は霧が樹枝や岩などに付着して生じる白色・不透明な氷層で、風上側に向かって成長するため、季節風の方向を示すとされている。八ヶ岳の冬の季節風は明らかに北から西寄りの風が吹くことを示していて、この頂稜部で風と雪をくいとめてくれるのを垣間見た思いだった。

八ヶ岳南麓に住む私たちにとって、八ヶ岳は冬の厳しさを和らげてくれるありがたい冬の衝立だ。

(文・写真  青木興家)

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