八ヶ岳牧場のトビ

羽根一杯に上昇気流を受けて飛ぶトビの姿は日本全国どこにでも見られますが、八ヶ岳牧場で見られるトビの帆翔(はんしょう)は別格です。

10月中旬?11月初旬のよく晴れた日の午後、県営八ヶ岳牧場天女山分場内の八ヶ岳横断歩道を散策すると、そんな光景に出合うことがあります。

秋の陽光で地表が温められて牧場に上昇気流が発生すると、数羽のトビがその上昇気流に乗って帆翔を始めます。

すると、それまで牧場の草むらで草の実や昆虫をついばんでいたトビが、次々と上空で飛んでいる仲間に加わり、時には100羽を越すトビの集団が円弧を描いて牧場上空を飛び交うこともあります。

富士山を背景に、黄葉したカラマツ林の上で繰り広げられるトビの大円舞は、八ヶ岳南麓ならではの秋の風物詩です。

(文・写真 田中盛)