くらし

昔の調理道具を紹介 「ほくとの食」

北杜市の食の歴史をテーマにした企画展「ほくとの食」が、長坂町の北杜市郷土資料館で開かれている。江戸時代から戦後まで使われていた食に関する道具を展示して、当時の人々が何を食べ、どのような暮らしを送っていたのかを伝えている。3月7日まで。

市内では江戸時代以降、旧明野村から韮崎市にかかる全長15㌔の「朝穂堰」などが設けられ、田畑の開発とともに稲作が盛んに。しかし、米は年貢や小作料として地主に納めていたため、少量の米にダイコンやイモ類を混ぜた「カテ飯」や麦飯、粉食が地域住民の主食だった。

農繁期には、厳しい労働に耐えられるよう、朝、昼、晩の食事に2回の間食を加えた1日5食を取り、麦飯や味噌汁、小麦粉と水を混ぜて焼いた「うす焼き」、野菜入りのほうとうなどを食べていたという。

同企画展では、大釜やしょう油絞り機、石うす、製麺機、パン焼き機といった調理道具のほか、木製の水筒や弁当箱などの約50点を並べ、当時の食の様子を紹介。

また、パネル展示で調理方法の変遷や北杜市域の具体的な日常食を説明するほか、正月行事や結婚式などで食べられていたハレの日の食事も紹介している。問い合わせは☎32・6498まで。