マルバダケブキ (丸葉岳蕗)

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涼を求めて少し高い所へ出かけると、沢筋や湿った木蔭に、0・5㍍〜1・5㍍程に直立した茎の頂部に数個のオレンジ色の花を付けた植物の群落に出会うことがある。

根元から蕗(ふき)に似た数枚の大きな丸い葉が出ていて、直立した花茎の頂部にヒマワリを小さくしたような花が数個あれば、マルバダケブキである。

名前は、「丸い葉が蕗に似ていて山岳地帯に生える」ことによるとのこと。近年、鹿の食害によってあちこちの山で野生植物の減少が問題になる中で、この植物はむしろ増加傾向にあるようである。

原因は、この植物が、人にはあまり感じられないが、鹿の嫌う臭気を含むため、食べるのを躊躇(ちゅうちょ)するとのこと。ここにも生き物の「自衛手段」が現れていて、面白い。

(文・写真 佐藤元昭)

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