韮崎エリア

大村館長が洋画家・荻太郎氏との交流語る

 韮崎大村美術館で開館15周年を記念した企画展第1弾「荻太郎展 人間へのまなざし」(8月25日まで)が開催されている。7月12日には、同館の大村智館長によるギャラリートークが開かれ、荻太郎氏との交流やエピソードなどを紹介しながら作品について語った。

 この大村館長によるギャラリートークは、同企画展の一環として開かれたもので、会場は美術館近くにある大村館長の生家「蛍雪寮」で行われ、約20人が参加した。

 洋画家の荻太郎氏は、1915年に愛知県で生まれ、東京美術学校(現東京芸術大学)に進学し、南薫造氏に師事。生きる悦びや苦しみ、歴史、家族、死などをテーマに作品をつくり続けてきた。

 大村館長との交流は、1990年、北里研究所メディカルセンター病院で公募展「人間讃歌大賞展」を開催した際、審査員の1人として荻氏を迎えたことがきっかけで、その後も親交を深めていた。09年に荻氏が逝去した翌年には、遺族から油彩画「死せる風景/ポンコツ」の寄贈を受けたという。

 その作品のキャンバスの下から、荻氏が昭和初期に描いたとされる油彩画「踊子小憩」が隠されていたことを紹介し、「うれしさと同時に荻先生は『大村に渡そう』と考えてくれていたと思い、感謝した」と語った。

 また、「荻先生は子供の絵がとても上手で、喜び、悲しみなどの感情を描く。子供の心を分かる純粋な人だった」と、子供を描いた作品も展示していると紹介した。

 甲府市から参加した桜井寿美子さん(61)は、「荻太郎さんの作品に対する思いを聴くことができ、芸術の奥深さを感じた。大村先生が紹介してくれた作品をもう一度観れば、また違った作品に感じると思う」と話した。

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