関本家の資料をWEBで公開
高根町の旧高根清里小学校の「八ヶ岳コモンズ」を運営するNPO法人地域資料デジタル化研究会では、持続可能なデジタルアーカイブを構築し、「関本家資料デジタルアーカイブ」をこのほど公開した。7月23日には、関本家を招いてデジタルアーカイブの紹介とUSBデータの寄贈式を行った。
関本家は、江戸時代中期まで遡ることができる名家で、貴重な資料が山梨県立博物館や県立美術館に寄贈されている。8代目当主の関本勘次氏が生前、同デジタル化研究会の小林是綱代表に、残された資料の扱いについて相談していた経緯から、デジタルアーカイブとしてまとめることになった。
23日の寄贈式では、勘次氏の妻の起子氏と9代目当主の関本勘楠氏を迎え、完成したデジタルアーカイブについて、小林代表が話し始め、3年前に関本家の資料を預かり、写真撮影やスキャナーを使ってのデータ整理を進めていたことを説明。貴重な資料211件と写真など1000点以上を整理し、1841年〜1992年までを年代順に並べた「編年順」や東京都や甲府市など、資料がつくられた場所順、あいうえおの言葉で探す50音順でまとめられているという。
また、デジタルアーカイブの作成にあたっては、ウェブサーバーを移転しても専門的な知識がなくても公開が継続できることを前提に、専用ソフトは導入せず、ウェブページ作成言語のHTMLなどを使ったシンプルな構造でつくられていることや今回整理した関本家に残された資料が時代背景を知る上でも貴重になっていることが紹介された。
関本勘楠氏(49)は、「蔵の中で埃をかぶっていた。いつの時代の写真かわからなかったが、資料が整理され、つなぎ合わせてもらった」と感謝の言葉を述べた。
同デジタル化研究会では、関本家のデジタルアーカイブの第1号としてまとめることができたことから、同様の手法を使い、県内の老舗や代々の歴史が残る家庭のデジタル化を広く進めて、貴重なデジタルアーカイブの事業を展開させることにしており、相談を随時受け付けることにしている。
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