徒歩徒歩

山から岳へ

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クラブデビューをしたのは、南相木村の天狗山(一八八二メートル)だった。奇遇にも、唐沢鉱泉から石楠花コースを登り、西天狗岳(二六四六メートル)、東天狗岳(二六四〇メートル)に登れたことは、我ながら信じがたい天狗続きでした。

当日の天候は「曇り」で霧が掛かり、景色は期待出来ないと思っていましたが、岩場の第一展望台に着いた時にはガスも切れ、「これぞ高山…」を思い描いていた通りの清々しい鮮やかな緑の山々が現れて大満足。

しかし、西天狗岳頂上まで百メートル程の垂直に近い「岩場」登りは、恐怖と疲れで必死でした。時々、姿を見せる八ケ岳の澄みきった山並み、爽やかな展望に疲れを癒し、天狗の奥庭では、期待していた「カモシカ」ではなく、二頭の鹿に癒されながら、黒百合ヒュッテまで「大小様々、形も様々な岩」の登り降りを黙々とこなし、樹林帯では、滑る岩の上の伝い歩きが続き、辺りが薄暗くなるやら。

「本当に天狗に成りたい」と思ったが、天狗岳は、少々私に自信を与えてくれた山でした。