見上げてごらん

見上げてごらん

星空観察会を行うたびに、多くの参加者から感動の声が上がる。普段、星空を見上げることが少ないのであろう。星空には、人を引き付ける力があると思う瞬間である。その極め付けが、カウントダウンである。5、4、3、2、1、0。

一斉に周囲の光が消え、暗闇に包まれる。そのとき、「ワー、スゴイ!」と大きな歓声が沸き上がる。これこそ星空が与えてくれる醍醐味、人の心に生まれる感激そのもの。私も、佐渡島で見た、今にもぼたっと落ちてきそうな天の川の星々に思いが至る。

星空は発見がいっぱい

10月はもう秋本番。どんな星たちが輝いているでしょうか?

まず、皆さんは星空に何を思い浮かべますか?

ぐるっと空いっぱいの星たちに目を凝らしてください。明るい星や暗い星、赤や青や白く見える星、なんかぼやっとした星、星がたくさん集まっているところやあんまり星がないところ、など星空にはいろんな発見がありませんか?

10月の星座は、オリオン座やはくちょう座など人気の星座はご存知の方も多いことでしょう。秋の星座が見ごろを迎えています。午後8時頃ほぼ頭上に秋の代表的な星座、「秋の四辺形」と呼ばれるペガスス座があります。

ペガスス座は、背中に翼をもつ天空を駆ける白馬の姿。英雄ペルセウスがこのペガススにまたがり、生贄にされたアンドロメダ姫をあわやのところで救出するというギリシア神話。そして、北東の空高く見上げれば、この神話に登場するアンドロメダ座やペルセウス座の星々を見ることができます。神話への思いを馳せながら、これらの星座探しにも挑戦してみてください。

この夏、天候が悪くて見えなかった天の川も、この時期、北東から南西の夜空にきれいに流れています。夏の夜空の代表格「夏の大三角」も西の空高く見えています。これもぜひ眺めてみてください。  (文:宮下功)