見上げてごらん

夕暮れに輝く「金星」見ごろ

最近、あたりが暗くなった南西方向に、ひときわ明るく輝きを放つ星の存在にお気づきですか?それは「金星」です。

金星は「いちばん星」としても親しまれており、夕暮れの西の空低く見えるときは「宵の明星」。夜明け前に東の空で輝けば「明けの明星」なんて呼ばれています。生活時間帯でもある宵の明星であれば、目にする機会も多いことでしょう。

夜空に輝く星々のほとんどは、太陽のように自ら光る恒星(こうせい)という存在ですが、金星は、私たちが住む地球とおなじように、太陽のまわりを回っている仲間の惑星です。太陽の光の反射を受けて光っています。

太陽から近い順に水星、金星、地球の並びで、金星は2番目にあり、表面の大気は分厚い二酸化炭素の層に包まれ、太陽からの強い光は二酸化炭素によって熱を吸収するため、平均気温は400℃を超え、90気圧という過酷な環境にあります。近い星とは言うものの、人間や動物が暮らす環境には過酷すぎますね。普段から見慣れた明るく輝いている姿とは想像もつかないほど、違う一面も持っている星なのです。

金星は時折、明るい星や細い月と接近することがあり、話題になることもあります。そんなタイミングはもうすぐ、12月3日前後です。

夕方、南西の空に金星と月齢4の細い月との共演で、北杜市内からは南アルプスの山々を背景に眺めるのも良いでしょう。天候次第では12月3日前後、金星の位置はほとんどおなじですが、月は日ごとに位置と形を変えるため、3日にこだわらず前日の2日と翌日4日の変化にも注目できれば、なお面白いです。

また、来年1月から3月まで細い月と金星が並ぶタイミングとなります。いずれも初旬です。特に1月2日、2月1日の接近は、12月の共演よりもグッと距離感が近くなるようです。この冬の夕暮れ、金星探しと細い月の動向にも注目してみてはいかがでしょうか。くれぐれも防寒対策はお忘れなく。(武井咲予)