金峰山千代ノ吹上
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今年も八ヶ岳で高山蝶ベニヒカゲに出会えた。
八月、県界尾根の標高二千六百㍍付近のお花畑にたくさん舞っていた。
早速ザックを背から降ろして、タカネコウリンカ、カイタカラコウおよびイワオウギなどに止まるのを待つ。しかしどの個体も一向に止まってくれない。
あきらめて戻ったら、降ろしたザックにベニヒカゲが集合しているではないか。肩ひもに六頭、他所に数頭が仲良く口吻を伸ばしている。どうやら花の蜜よりも汗の方に魅力があるらしい。染みついた汗の塩分を吸いに来たのであろうか。
蝶は蜜しるべと言われる花の中心部の紫外線を見つけて吸蜜するといわれているが、汗を嗅ぎ取る仕組みはなんであろうか。
(文・写真 青木興家)