くらし

理想の世界を表現ー「小池誠展」開催

nagasaka
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ミクストメディア(混合技法)作家の小池誠さんの作品を集めた「小池誠展—生命・いのちを見つめて—」が、現在、須玉美術館で開催されている。

同美術館で小池さんの作品展を行うのは初めてで、今回は、初期の作品から現在まで、30年間で制作された作品や資料約40点を展示している。

長野県喬木村在住の小池さんは、18歳の時に骨肉腫を発病し、左足を切断。その闘病生活の中で、宗教や哲学、思想を学びながら、独学で絵を描き始め、ミクストメディアという独自の作風を確立した。

初期の作品には、苦しい内面を吐露しているような自画像や抽象画が多く見られ、展示された手記やスケッチブックには、絵に対する思いや闘病中の苦しみが如実に表れている。

しかし、闘病中も自分を支えてくれた母への思いを込めて描いた「母子像」や代表作「生命の楽園」、「慈愛」などをきっかけに、作品の中で自身の理想郷を描くようになった。宇宙や自然、人間の心理を探究しながら描き出す理想郷は、光が降り注ぎ、明るく透明感あふれる独特の世界を繰り広げている。

同館の金澤志保学芸員は、「小池さんは、自分が絵を描くことで貢献したい、自分の作品で他者を幸せにしたいという思いで、作品を描いています。普遍的なものを追究する姿勢や、建築家を志していた小池さんの几帳面で繊細な部分も作品に表れている」といい、「作品には、光や自然、生命の営みなどが一体化した理想の世界が表現されています。小池さん自作の額も見てほしい」と話している。

展示は11月28日まで。問い合わせは電話42-5007まで。

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