ミヤマホオジロ
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翁草(おきなぐさ)とは、花後の羽毛の塊のような実を、老人の白髪に例えての命名である。
オキナグサを初めて見たのは学生時代、磐梯山の麓の雄国沼畔の草原だった。それは暗赤紫色のとても美しい花だった。その後栽培品は見ることがあっても、自然の中で見ることはなく、三十数年ぶりに天女山で再会できたときは大層嬉しかった。
このオキナグサが減ってきている。原因は、「ヒト」による盗掘が主であったが、近年は「シカ」による食害が多い。キンポウゲ科の有毒植物であるにもかかわらずである。
八ヶ岳自然クラブでは、昨年から八ヶ岳の中腹で、シカの食害から守るための保護柵設置活動をしている。
(文:佐藤久江・写真:坂本鋼治)