韮崎エリア

立体作品に触れて鑑賞、幸福の小径でメンテナンス作業

 普段は触れることのできない立体作品のメンテナンス作業を通して、作品に直接触れて観賞する楽しさを知ってもらおうと、韮崎大村美術館は、11月10、11日の2日間、同美術館ボランティア16人を対象にした研修事業を神山町の遊歩道「幸福の小径」で開いた。

この研修事業は、彫刻やブロンズ像などの立体作品について理解を深めるとともに、メンテナンス方法を学ぶ機会として初めて実施したもので、立体作品のメンテナンスの専門家で武蔵野美術大学彫刻学科の黒川弘毅教授を講師に迎えた。

初日の10日は幸福の小径にある大村智博士をモデルにしたブロンズ像のメンテナンスが行われ、黒川教授は、「メンテナンス作業は作品を触覚で観賞する最高の観賞方法。貴重な機会を楽しんでほしい」と語り、実際に像の汚れを洗浄し、オリジナルの色を長持ちさせるという蜜ろうを塗る作業を紹介した。

続いて、参加者たちが乾いた布を使って像の細部まで丁寧に磨き上げながら、作品に触れ、「銅の質感は温かみがある」や「表面の凹凸が感じられ、作者になった気持ち」などの声が聞かれた。

また、11日は残る8点の立体作品のメンテナンス作業が行われ、黒川教授の指導の下、作品の洗浄から磨き上げまでの一連の作業を体験し、作品の美しさを取り戻した。

大草町在住の岸田英子さん(71)は、「普段は触ることのできない作品を手の感触で味わい、きれいにできたことは貴重な機会だった」と話した。

大村美術館によると、今後、メンテナンス作業は毎年1回、同美術館の学芸員とボランティアで協力して実施して行くとしている。

 

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