八ヶ岳自然散策

草原のオオジシギ

初夏、八ヶ岳山麓の牧草地は緑色が濃くなっていきます。八ヶ岳の残雪の白色とのコントラストが美しい季節です。

早朝、カッコウやホトトギスなどの夏鳥たちの声が響き渡ります。その声を聴きながら、モーニングコーヒーを飲んでいる時は「幸せだな」という思いしかありません。

時として、牧草地の上空から「ズビージャク、ズビージャク」という鳴き声が聞こえてくることがあります。そして、「ザザザ…」という大きな羽音が続きます。声の主はオオジシギです。

細かな縞模様の体に、長いくちばしを持つ中形のシギです。その羽音から「カミナリシギ」とも呼ばれています。環境省から「準絶滅危惧」に選定され、数が減っている鳥です。

(文・写真 竹内時男)