韮崎エリア

シニア健康サポーターが認知症を学ぶ

 韮崎市の介護予防事業「いきいき貯筋クラブ」を支援する市シニア健康サポーターを対象にした「認知症サポーター養成講座」が、3月23日に韮崎市保健福祉センターで初めて開かれ、20人が参加した。

 この養成講座は、健康サポーターが認知症の正しい知識を理解して、対応を学ぶことで、認知症と疑われる症状を早期発見し、迅速な対応ができる体制をつくろうと企画された。

 当日は、笛吹市の医療法人銀門会甲州リハビリテーション病院の森彰司作業療法士が「認知症について学び、認知症サポーターになろう」をテーマに講演し、経験したこと自体を忘れてしまう「記憶障害」や年齢、場所などが分からなくなる「見当障害」のほか、片付けができなくことや妄想が出ることなど、人によって症状が異なることを紹介。

 また、「認知症の人の気持ちを推し量ることが何よりも大事」といい、「忘れてしまうことの恐怖や焦り、不安に寄り添うこと。その人の言動や行動には、必ずその人なりの理由があるので、『認知症の人』と一括りに考えてはいけない」と説明した。

 認知症サポーターとしての役割では、「『できる範囲で、できるだけ』がキーワード。貯筋クラブの参加者の異変に気付くことや関係する人たちと連携しながら、見守り、笑顔で声をかけてほしい」と語った。

 2009年から健康サポーターとして活動しているという中島在住の清水浩子さん(64)は、「認知症であっても本人の希望や伝えたいことを理解するため、発する言葉に共感し、言葉の背景を知ろうと思った」と話した。

 市の長寿介護課の担当者は、「地域で市民の健康をサポートする人が認知症について理解することは心強い。今後、認知症であっても楽しめる場や環境づくりを進めていきたい」と話している。

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