韮崎エリア

韮崎市役所で不審者想定した対応訓練

 韮崎市は、2014年7月に市役所内で発生した不審者による職員への傷害事件の教訓を生かそうと、12月9日、不審者が庁舎内で刃物をちらつかせていることを想定した対応訓練とさすまたの使い方講習を行った。

 この訓練は甲斐警察署と協力し、市の職員の危機意識の高揚を図るために実施したもので、不審者役の甲斐署の署員が市役所1階にある福祉課の窓口を訪れ、担当職員の不在を伝えると「話ができるやつを出せ」と詰め寄り、隠し持っていた刃物で職員を脅した。

 さらに不審者役は、職員通路から事務所内に侵入。職員が窓口にいる来庁者や職員にその場から逃げるように促し、不審者と一定の距離を取って時間を稼いだ。その間に別の課の職員が「刃物を持った男が市役所にいる」と110番通報した。

 約5分後に通報を受けて駆けつけた署員が不審者役を囲み、さすまたや盾で押さえ込んで逮捕し、緊張感漂う本番さながらの訓練となった。 今回の訓練では、市の職員にさすまたの使い方を伝える講習会が開かれ、さすまたの構え方や持ち方などを説明し、「複数人でさすまたを使うと有効。警察官が来るまでの時間稼ぎをしてほしい」と語った。

 甲斐署の笹本正賢地域交通管理官は、「地域の安全を守るためには、警察だけでなく行政機関との連携が不可欠。訓練を通して防犯意識を高めてもらい、備えてほしい」と講評した。

 訓練に参加した福祉課の藤田真由主事は、「刃物を向けられた経験がなかったので恐怖だった。警察官が来るまでの時間の犯人への対応も含めて、危機管理を考えなければならない」と語った。

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