八ヶ岳自然散策

ギンリョウソウ (銀竜草)

5月から7月頃、湿り気の多い山地の森の中を歩いていると、茎の先端に釣り鐘状のややうつむき加減に咲いている白色の花のギンリョウソウに出合うことがある。

葉緑素を持たない腐生植物で菌根(菌類と植物の根の共生体)に寄生し、樹木が光合成する有機物を菌経由で取り入れて生活している。

地下で生育し、花を咲かせるときだけ地上に現れ、全体の高さは10〜15㌢ほど。透き通るような白色がとても美しく神秘的である。日本全土に分布しており見かける機会も意外と多い。一度見たら忘れられない隠れファンも多いのでは?

ギンリョウソウと言えば白色のイメージだが薄紅色の「キリシマギンリョウソウ」は昨年20年に及ぶ調査研究の結果、新種に認定されました。まだ新しい発見があるとは、奥深いですね。

(文・写真 岸田はるみ)