できごと

「キップ拝見」「雛」初公演

「今の時代だから伝えたい」と話す俳優の片山美穂さんと黒田利夫さんは、長崎に原爆が投下された八月九日、須玉ふれあい館で「キップ拝見」と「雛(ひな)」の公演を行う。チーム・クレセントの主催で、市内初公演。

今回の公演は「ひとり芝居」で、「キップ拝見」に出演する黒田さんは長坂町在住。母一人子一人の親子が戦争によって苦しめられ、それでも生きざるを得ない役を演じる。

「(心の)奥にある戦争。二度とこういうことを起こさないということが訴えられ、人間的な屈辱から脱却できない人が生きてきた、このすごさが描ければ」と黒田さんは話す。

続く演目の「雛」は、戦時中の学童疎開の話しで、母親に裏切られた思いを残す娘の元にひな人形が届き、そのひな人形に結びつけられていた手紙をキーワードに、戦争孤児として生きるが、母親の愛情を一身に受けた作品という。

片山さんは、「二つの作品は、対比する陰と陽の作品です。現実を奪われた末路。そういう人間をつくり出した社会や本当にこんな芝居があるのかなーと見てもらいたい作品です。今だから考えてもらえるタイムリーな内容だと思う」といい、平和へのメッセージとして訴えかけることにしている。

チケットは二千八百円で、午後一時半開場。問い合せは☎090-1460-0796(黒田)まで。