八ヶ岳自然散策

甲斐の花  カイタカラコウ

カイタカラコウ(甲斐宝香)はキク科で黄色の頭花を付ける同じ仲間のオタカラコウ、メタカラコウより小形で二十㌢ほどの高さの植物。

八月初めに八ヶ岳の県界尾根から登り、真教寺尾根に下った際に二個所でこの花を見つけた。県界尾根で標高二六七〇㍍、真教寺尾根では二五六〇㍍付近で、どちらも森林限界を越すハイマツ帯の中にあった。

三ツ頭の二〇〇〇㍍付近の木立の中に群生しているのを目にし、亜高山帯の花とばかり思っていたが高山帯まで登っていた。

しかし、湿り気を好むことや葉が大きいこともあって、二八〇〇㍍の八ヶ岳稜線までは上がれそうもない。ちなみに、甲斐の名がつく山野草は他にカイフウロとカイノコバイモがあった。

(文・写真 青木興家)