米国向け映画「サケ・ボム」、山梨で上映
市内白州町の山梨銘醸株式会社(北原兵庫社長)の酒蔵で、平成二十四年九月に、米国向けの映画として撮影された「サケ・ボム」(サキノジュンヤ監督)が逆輸入され、TOHOシネマズ甲府での上映を前に、六月十四日、撮影現場の山梨銘醸で、「サケ・ボム」の完成報告が行われた。
当日は、サキノ監督が山梨銘醸を訪れ、北原亮庫常務に米国での公開状況や反響について説明。映画のスタートシーンになる酒蔵での撮影を行った地元での映画上映がかなったと喜びを伝えた。
映画「サケ・ボム」は、老舗酒蔵の将来を背負う青年ナオト(主人公:浜田岳)が、思いを寄せる外国人オリビア(ジェン・リウ)を探しに渡米し、渡米先の従兄弟のセバスチャン(ユージン・キム)とコンビを組んでオリビア探しの旅を始める「青春『ほろ苦』ロードムービー」。
サキノ監督は、映画は、「サウス・バイ・サウスウェスト映画祭2013」の三大インディーズ映画祭への出品が決定し、「四回上映のチケットはすべて売り切れ、いいスタートになった」と話し、ハワイやロス、サンフランシスコなどの上映を経て「山梨に戻ってきた」と語った。
また、タイトルになっている「サケ・ボム」は、米国のパーティードリンクとして広まり、日本食の普及によって寿司店などでもメニューに掲載されるほどポピュラーな飲み物になっているという。
飲み方は、ジョッキに半分ビールを入れ、ジョッキの上に箸を二本並べて、酒の入った猪口(ちょこ)を乗せ、テーブルをたたいて猪口がビールの中に落ちたら、一気にジョッキのビールを飲み干すゲーム感覚の飲み方という。
サキノ監督は、「映画の酒造りのシーンは、(外国人には)侍のような捉え方をしている」、「冒頭酒蔵のシーンは『美しい』と評判が高かった。日本人もみることがないので好評だった」と話す。
北原常務は「蔵元が本気で酒を造ると、お客さんのことを考えてかなり酒が変わってきた。ちょうどこの時期に公開できて良かった」と日本酒の広まりに期待する。
また、老舗酒蔵を撮影場所として開放することが出来たことについて「渡米経験があったことが大きいです」(北原常務)といい、「日本の美しさと山梨の自然、米から酒ができる行程をみせたことで、日本の伝統文化を紹介できた」(サキノ監督)と話している。