韮崎エリア

花園農村の碑で「碑前祭」開催

 藤井町出身の詩人・保阪嘉内と童話作家の宮沢賢治について学び、両氏の親交を後世に伝えている「保阪嘉内・宮沢賢治アザリア記念会」(向山三樹会長)は、10月9日、東京エレクトロン韮崎文化ホールの敷地内に建つ花園農村の碑で「碑前祭」を開いた。

この碑前祭は、嘉内と賢治の交流が触れられた文が刻まれている花園農村の碑(高さ約1・5㍍、幅約4・6㍍)の前で開いているもので、当日は約50人が参加した。

碑前祭であいさつに立った向山会長は、「『花園農村の碑』に刻まれた嘉内と賢治の絆を受け継ぐ碑前祭が今年も開催できたことをうれしく思う」と語った。 続いて、嘉内のひ孫にあたる保阪哲哉さん(藤井町在住・32)による碑文の朗読や韮崎市民合唱団による「アザリア」や「藤井青年団歌」など5曲の合唱が披露された。

記念講演では、ノンフィクション作家の梯久美子さんを講師に迎え、「もうひとつの銀河鉄道−宮沢賢治のサガレン紀行−」をテーマに講演した。

梯さんは、賢治が妹・トシの死後、1923年に訪れたという樺太で書かれた「オホーツク挽歌」や「樺太鉄道」などの詩について、「妹の魂がどこへ行ったのかを求めて北に向かったとされ、オホーツクの海の青さを見た賢治は、死の衝撃から立ち直れなくても、魂を探すという迷いからは脱したことが伺える」などと解説した。

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