くらし

動物?土器に謎の文様 考古資料館で抽象文土器展示

大泉町の北杜市考古資料館と長野県富士見町の井戸尻考古館、原村の八ヶ岳美術館の3館共同企画展「縄文いきものがたり」が今年も開催されている。7回目を数えた今回のテーマは「生き物」で、各館が独自の切り口で縄文時代の生活を紹介している。

北杜市考古資料館では、ヘビやサンショウウオのように見える文様が付けられた「抽象文土器」を展示。約5000年前の縄文時代中期中ごろの土器で、八ヶ岳南麓で多く出土されていることから、同地域が抽象文土器の分布の中心だったと考えられているという。

抽象文が成立した初現期のものやより立体的でバラエティ豊かに表現されたものなど、市内の6遺跡から出土した31点が並んでおり、縁部に顔、胴部に抽象文が付けられた「人面装飾付土器」や高さ約80㌢の大型の抽象文土器などを見ることができる。

学芸員の長谷川誠さんは、「抽象文土器が出土しているのは、拠点的な集落だった遺跡が多く、煮炊きなどの日常的な道具ではなく、なにか特別な意味を持っていたと考えられる」といい、「抽象文にはなにか分からない面白さがある。縄文人が付けた理由を想像しながら楽しんでほしい」と話している。

八ヶ岳美術館は土器装飾や狩猟道具などの生き物に関する出土品を展示し、井戸尻考古館は土器に描かれた生き物の表現からその意味や縄文人の精神世界に迫っている。

会期は11月23日まで。3館全てをまわるとオリジナルの缶バッジがもらえる。問い合わせは☎20・5505まで。