くらし

どくとるマンボウ展、初公開の展示も

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長坂町の北杜市オオムラサキセンターで、芥川賞作家の北杜夫氏の代表作「どくとるマンボウ昆虫記」をテーマにした企画展「どくとるマンボウ昆虫展」を行っている。

会場になっている森林科学館の展示室には、約一・二メートルのマンボウのはく製が天井から吊るされ、標本や写真など、子供から大人まで楽しめるよう工夫されている。

展示では、二十章にわたる「どくとるマンボウ昆虫記」の内容に沿って、各章に出てくる昆虫標本(延べ百八十五種)を並べて展示し、昆虫記をより具体的に紹介している。

特に今回の展示では、北氏が少年時代に愛読し、空襲で家が焼けた時に、庭に埋めていて焼失をまぬがれたという昆虫図鑑「原色千種昆虫図鑑」と、北氏が実際に使用していた昆虫捕獲網などの昆虫採集道具を初公開している。

さらに、二十年ほど前に銀座ギャラリーで一度展示したという水彩画などの作品十八点が、二十年ぶりに公開されるなど、昆虫記に親しんだ世代にとってうれしい展示内容になっている。

このほか、どくとるマンボウ昆虫記を連載した雑誌や蔵書、北氏の書籍コーナーが設けられ、ゆっくりと時間をかけて楽しめる空間が用意されている。

今回の展示にあたり、北氏から届いた手紙も展示しており、文中後半に、「北杜市という名と私のペンネームが何となく似ているのが興味深い」と綴っている。

この昆虫展は、三月二十八日までの予定で、一月十日には、「マンボウ先生と昆虫たち」と題した講演が午後二時から行われるほか、三月十三日には、北氏の娘でエッセイストとしても活躍する斎藤由香さんを迎えた講演会を計画している。

問い合わせは電話32-6648まで。