八ヶ岳自然散策

ヤナギラン

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日当たりの良い盛夏の高原を鮮やかに彩る花である。ヤナギランに出会うとほとんどの人は感嘆の声をあげる。誰にでも愛される花である。

草丈一~一・五メートルの大形の植物で、花穂は三十センチ前後と長い。花は下から順に咲き上がるため、比較的長く咲いている。

群落を作っていることが多く、遠くからでもすぐにそれと分かる。名前にランと付いているが、ラン科ではなく、アカバナ科である。美しい花をランにたとえ、細い葉を柳に見立てての命名である。

花後の莢(さや)は細長く、五~六センチ程。中には、白くて長い毛を持つ種がぎっしりと詰まっている。ヤナギランの綿毛が風に舞う頃、短い山の夏は終わりを迎える。 (文・写真 佐藤久江)