くらし

オリジナル品種で、農業の新たなシステム確立へ

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小淵沢町の三好アグリテック株式会社(名取俊彦代表)が開発したオリジナル品種のイチゴ「初恋の香り」が、平成20年の販売開始以来、人気を集めている。

ほんのりピンクがかったツヤのある白い表皮に、独特の爽やかで甘い香りが魅力の「初恋の香り」は、糖度が12度〜17度、酸味が控えめで、さっぱりとした甘さが特徴。「初恋の香り」という名称は、社内で公募して、人気投票によって名付けられたという。

主に首都圏の青果店やインターネットで生食用として販売されるほか、ケーキや菓子などの加工用に使われている。

現在、全国で9人の契約農家が生産を行っており、収穫量は約40トン。赤いイチゴの生産量の1%にも満たない。

旬は12月〜5月で、栽培方法は普通の赤いイチゴと同じだが、収穫のタイミングを判断するのが難しいだけでなく、果肉が柔らかく、傷がつきやすいことから、一つひとつの作業を丁寧に行わなければならない。

新規事業企画室チーフの萩永祥子さんは、「種苗会社として何ができるかを考えた時、新たな農業のモデルケースを確立したいと思った。農家に安定した収益が出るシステムづくりを目指し、生産者や販売店とこまめに連絡を取り合い、それぞれと密接な関係を保ちながら、生産から販売までを一貫して管理しています」といい、「今後も契約農家や販売店との話し合いにより、方向性を決めて、需要に合わせて生産を調整していく」と話している。