くらし

古時計を再生「八ヶ岳ゼンマイ屋」

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明治時代〜昭和40年代中頃まで、多くの家庭で使われていたゼンマイ式掛け時計や置き時計などの古い時計を修理して、現在によみがえらせようと、2月1日、工房兼ショップの「メインスプリング八ヶ岳ゼンマイ屋」が高根町清里にオープンした。(写真)

この工房は、オルゴールソムリエとして活動してきた名取淳一さん(55)が、古い時計の専門店としてオープンしたもので、オルゴール事業を縮小して、時計の修理・修復、再生した時計のリユース事業を中心に行う。

事業の方向転換は、2020年2月から爆発的に拡大した新型コロナウイルスの影響で、全国の小中高等学校の一斉休校や緊急事態宣言の発令による外出自粛のあおりを受けたことが大きな原因という。

オルゴールの体験教室の予約はなくなり、さらに、オルゴールの製造工場が生産調整に入ったことで、オルゴールの部品の供給がストップしたことも追い打ちになった。

その一方で、「八ヶ岳周辺では、中古住宅の需要が増え、調度品がそのままという物件の中には、掛け時計が残っていたり、コロナ禍で家の中を整理している時に『おじいさんが使っていた古い時計が出てきた。懐かしいので修理してほしい』という依頼が増えてきた」と話す。

時計が趣味で20代から古い掛け時計や置き時計の修理の依頼を受けていたこともあり、時計の修理・修復を中心にした事業展開に切り替え、古い時計の買い取りやリユース時計の販売を手掛けることにしたといい、「昔の時代の技術を将来に伝えていきたいし、アーティストとコラボレーションした時計づくりにも挑戦したい」と話している。

30年以上前にアメリカのシリンダーオルゴール修理学校を受講して以来、オルゴールを生活の中心に置いてきた名取さんだが、コロナ禍で客足が遠のいたことで自分の強みを再度見つめ直し、ゼンマイ式時計に活路を見い出している。

平日不定休。詳しくはTEL090‐2308‐2344(名取)まで。

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