くらし

ワイン産地へ 市内産6種類を試飲

北杜市フードバレー協議会(大塚広夫会長)は6月11日、小淵沢町の女神の森セントラルガーデンで、「世界に誇るワイン産地づくり」をテーマにした講演会と北杜市産ブドウを使ったワインのテイスティング会を開催し、市内の各種団体や事業者など約120人が参加した。

同日の開会式で、上村英司市長は、「近年市内へのワイン生産者の参入が増加している。ワインを通じた交流人口の拡大などを目指し、産地化に取り組みたい」と語り、大塚会長は「市内産ワインの魅力を多くの人に知ってもらい、新しいつながりの創出で農業の六次産業化の推進につながるとうれしい」とあいさつした。

講演では、明野町に農場を持つ「中央葡萄酒」の栽培醸造責任者・三沢彩奈さんが「日本の風土を生かしたワイン造り」をテーマに登壇。2014年に世界最大規模の権威あるワイン品評会で、「キュヴェ三沢明野甲州2013」が日本ワイン初の金賞を受賞したことに触れながら、明野の気候風土がブドウの品種「甲州」の個性を豊かにしていると説明した。

また、「ワインづくりは、どんなに腕の良い醸造家でもブドウが命」、「世界の名醸ワインに並ぶためには、産地の特性をワインの個性として表現する必要がある」と強調し、「さまざまなワイナリーが協力し合い、高品質のワインをつくり続けて信頼を得ることが、産地形成には大切」と語った。

続いて、日本ソムリエ協会山梨支部長の鈴木忍さんを講師に迎え、市内産ブドウを使った6種類のワインのテイスティング会を実施。参加者は、鈴木さんによる各ワインの味わい、香りの解説を聞きながらテイスティングを楽しんだ。

市内在住の堀込かずみさん(62)は、「北杜市はワインづくりの大きな可能性を秘めた地域だと思った。ワインからはつくり手のこだわりを感じ、消費者側としても勉強してこの地を盛り上げていけたら」と語った。