清里の森「ぜぴゅろす」で版画展
今年で開館5年目となる高根町の「清里の森」・自在舎「ぜぴゅろす」(桜井節代表)では、6月28日まで、「又木啓子版画展―陽光さんさん響きあう色彩—」を開催している。
又木さんは、女子美術大学を卒業後、すぐにスペインへ渡り、30年以上スペインで創作活動を続けている。今回の展示では、木版画やシルクスクリーン、リトグラフ、エッチングなど、様々な技法を駆使して制作した作品33点を展示しているほか、絵本作家として活動している又木さんの絵本やデザインを手掛けたグッズも取り扱っている。
桜井さんは、「今まで古風な版画展を行ってきましたが、今回は思いきって雰囲気を変えてみようと、日本人離れした大胆な色使いをする又木さんの作品を展示しようと思った」といい、「まさにスペイン人の独特な色彩感覚が現れており、日本人には刺激的だと思う。作品からは、彼女の生きるパワーが伝わってくる」と話している。
一方、ぜぴゅろすでは、「清里の森詩歌さろん」を開設し、堀辰雄や三好達治、中原中也など、日本を代表する四季派詩人の本「小久保文庫」をはじめとする蔵書約1200冊を公開しており、「都会の喧噪から離れて、静かな場所でゆったりした感覚を味わってほしい。自由に本を手に取って、のんびり豊かな時間を過ごしてもらえたら」と、桜井さんは話している。
さらに、毎月第4土曜日には「自在舎読書会」を開いており、長坂郷土資料館の大庭奈保子学芸員を迎え、5月29日は「芥川龍之介における風流と死への想念ー自然観をめぐって」、6月26日は「芥川龍之介における東洋詩的精神」をテーマに特別講座を開催する。午前10時に開会、定員30人で要予約。参加費は500円。詳細は電話48-3574まで。