くらし

ポーランドの伝統文化伝える、色彩豊かな切り絵

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長坂町の清春旅と空想の美術館(清水純子館長)では、現在、「ポーランド切り絵の世界展」を開催している。

今回の展示では、3人の切り絵アーティストの作品のほか、現地から仕入れた雑貨や切り絵の型紙本、実際に使われている大きな羊毛バサミを紹介している。

県内で初めての開催となるこの切り絵展は、清水館長がポーランド在住の知人から伝統工芸の「切り絵」を紹介されたことがきっかけで開催することになったもので、昨年10月から札幌市と福岡市を巡回してきた作品約200点が展示されている。

ポーランドの切り絵「Wycinanki」(ヴィチナンキ)は、農村地帯に住む女性たちが、冬の間に家の中で行ってきた手仕事で、防寒用に窓に張っていた羊の皮を切って作っていたが、その後、色紙が使われるようになり、黒地をベースにカラフルな色紙を切って重ねて貼るようになった。

部屋の装飾を目的に盛んに作られるようになった切り絵は、ニワトリや馬、コウノトリなど身近な動物と草花をモチーフにしているもの、昔ながらの農村風景や伝統的な風習などを描いたものなど、それぞれの作品から人々の生活ぶりを垣間見ることができ、今では歴史的資料として、その価値が見直されているという。

清水館長は、「ポーランドの切り絵は、一つとして同じものはありません。色鮮やかなのに素朴で繊細、手作りの温かみがある」といい、「親から子、そして孫へと受け継がれてきた伝統工芸ですが、いまでは受け継ぐ人が少なくなっている貴重な文化です。日本であまり知られていないこの文化を知ってほしい」と、大勢の来館を呼び掛けている。

展示は3月27日まで。問い合わせは電話32-8188まで。