くらし

患者の立場で、歯科治療を考える

虫歯菌や歯周病菌が健康体の妨げになっているという話題が増える中、大泉町在住の医療ジャーナリストの蒲谷茂さん(64)が、「歯は磨くだけでいいのか」(七百五十円税込)をこのほど文春新書から発刊した。

この本はB六判サイズで、二百七㌻。全四章で「歯の力、口の効能」、「口の中は万病のもと」、「虫歯、歯周病菌は根絶できる」、「歯科医との付き合い方」で構成されている。

蒲谷さんは、歯と健康についての情報発信が少なく、医師が書く立場よりも、患者の立場で伝えることが出来るのではないかと、執筆活動に着手。「医療機関によっては、積極的に口腔ケアを取り入れはじめてきている。歯にくっついている菌をどう取るのかを広めたい」と話し、「この本を持って歯医者へという思いもあります」という。

同書では、「肺炎から身を守る一本の歯ブラシ」や「三十回噛むだけでやせられる」、「糖尿病と歯周病は表裏一体」、「子どもの虫歯はお母さんが原因?」など、歯と脳の関係や唾液と虫歯の関係、歯周病と体の関係など、日常生活で気軽に出来る口腔ケアの大切さを伝えている。

「お風呂に入るのを休む日はあるかも知れないが、歯を磨かない日はないと思う。だけれど虫歯や歯周病になるのがとても疑問です」といい、「今の日本で、歯を失うことは当たり前じゃない」と蒲谷さんは話し、自分の歯を残すことの大切さを語った。