縞枯山
nagasaka
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八ヶ岳南麓から、眼前に聳え立つ甲斐駒ヶ岳(2967㍍)を眺めるとき、その屹立した山容に感動します。ことに、明け方の山頂から赤く染まり輝く姿は感動的です。
この山は花崗岩から出来ており、角閃石、長石、石英、黒雲母などの鉱物結晶が肉眼で確認できます。このことは、花崗岩マグマが地下深部でゆっくり冷却した結果です。
深いところで生まれた花崗岩がどうして地表まで上昇して山になったのでしょうか。
その答えは1つではありませんが、花崗岩は海洋底の玄武岩やマントルの橄欖(かんらん)岩より軽いため氷が水に浮かぶように上昇し、地表の堆積岩が風化・浸食で削られると、その下に隠れていた花崗岩が浮き上がってくるのです。この理論をアイソスタシー(地殻平衡)といいます。(文:亀村平男、写真:坂本鋼冶)