ムシトリスミレ

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7月、八ヶ岳は開山祭も終え本格的な夏山シーズンを迎え、色とりどりの草花が一斉に咲き始めます。

ムシトリスミレもその一つです。草丈5〜15㌢、茎の頭頂に紫色のスミレそっくりの花を一個付けますが、花以外の形・姿は似てなく、スミレ科とは全く別品種のタヌキモ科です。根元には長さ3〜7㌢の葉が数枚放射状につき、ヘリが少し内側に巻き込み粘液を分泌する腺毛が密生。小さな虫を付着させ養分を消化吸収する食虫植物です。

高山帯の少し湿った草地や岩場の隙間に自生しますが、北方系植物とか周氷河植物といわれ、1万年前の最終氷期以降、かろうじて高山帯へ移動できた植物のみが生きながらえている、大変貴重なもので、山梨県の絶滅危惧種1A類に指定されています。登山道をはずれて踏みつけぬ様、十分気配りして夏山を楽しみたいものです。

(文・写真 亀村平男)

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