雪中の座禅草

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同じサトイモ科の水芭蕉ほどには注目されないが、日が当たった座禅草には渋い風情がある。逆に日陰だと、名前の由来を示すように、達磨大師が光背を背に座禅を組んでいると、無理すれば想像できなくもない。

雪が降って数日後、清里高原の湿地に出向いた。自分が出す熱で雪を溶かし、かわいらしく顔を出していた。座禅で思い出すのは京都の天竜寺だ。昔、社員研修に携わっていたころ、研修の一環として年に数回は研修生と一緒に天竜寺で座禅を組んでいた。

名だたる庭園を観る人たちがひっきりなしに廊下を歩いていく。障子で仕切られた部屋ではあるが、ざわつきやら雑念を払えず、とても無心にはなれず、合掌して警策を受け、しゃきっとしたものだった。

(文・写真 高木宥)

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