見上げてごらん

見上げてごらん

「小さな一歩だが、人類にとって偉大な一歩だ…」、1969年6月20日、アームストロング船長が月面に降り立った時の言葉だ。大きな興奮の中でテレビ画面を食い入るように見つめていた。これに先立つアポロ8号は、宇宙空間にポッカリと浮かぶ青い地球の姿を初めて人類に見せてくれた…。

私にとって「宇宙は不思議がいっぱい」の世界。ポッカリと宇宙空間に浮かぶ地球、その地球は、火星や土星などと一緒に太陽の回りを周っている。太陽系も何やら天の川銀河の中を猛スピードで動いている!「どうしてなんだろう?」こんな疑問が、いつも頭の中を巡っていた。難しいことは分からないけれど、宇宙が誕生した時から宇宙には4つの力が働いており、その力の一つが「重力」で、宇宙空間の星の動きを支配しているらしい…。

暗闇に浮かぶ青い地球は、不思議さを通り越して感動そのもの。私のポケットの中は、今でも宇宙の不思議がいっぱい詰まっている。

「不思議の国の宇宙」は、古代の人々が見ていた同じ姿を今も変わらず私たちに見せてくれている。星空観察会をやっていると、多くの人から「星空を見ていると、心が休まります」との声を耳にする。

星座や星の名前は分からなくても、見上げる夜空の先には、何か心を癒す力があるようだ。夜の明かりは、現代人から星空をみあげることへの意識を薄れさせてしまっているかもしれない。だからこそ、多くの人に星空を見上げてもらいたいと思う。

さて、6月の夜空、梅雨の合間にどんな星空が見えるだろうか。明け方の東の空には、金星が明るく輝いている。明けの明星の輝きだ。

一方、夜9時頃の南西の空には木星、南東の空には土星が輝いている。木星は縞模様と4つのガリレオ衛星、土星は人気の輪が見もの。特に今年、土星の輪は最も傾きが大きい時期に当たり、大いに目を楽しませてくれるだろう。2020年頃にかけては、木星と土星は南の空に仲良く輝いており、寄り添うほど大接近するとのこと。当会の星空観察会で、ぜひ望遠鏡で覗いてみてください。

(宮下功)