ネット利用し学習支援へ、オンライン授業試験的に実施
新型コロナウイルス感染拡大防止対策で学校の臨時休校が長期化するなか、韮崎市教育委員会は、ICT(情報通信技術)を活用した授業を今年6月から市内7小中学校で実施する計画を進めており、4月30日には市立穂坂小学校の5年11人を対象にした試験的なオンライン授業を行った。
このオンライン授業は、学校再開の見通しがつかない状況が続くなか、臨時休校が6月以降も続く場合を想定して、市内小中学校で順次試験的に導入する予定で、今回は授業での指導方法や課題を見つけることを目的に実施した。
当日は、穂坂小学校の体育館に黒板を背景にした撮影スペースや三脚で授業を映すタブレット端末を設置。授業を担当する5年の担任の伏見麻央教諭がビデオ会議システム「マイクロソフトチームズ」で算数の授業を行い、市内小中学校の情報主任や教諭など約20人が見守った。
伏見教諭は、児童の顔が映し出されたタブレット端末の画面に向かって、「まずは出席を確認します。聞こえていますか」と、児童の名前を一人ずつ呼び、名前を呼ばれた児童は、「出席しています」や「聞こえています」などと元気に応えた。
授業では、児童から時折、「黒板の文字が見えにくい」や「音声が聞き取りにくい」などの意見が聞かれ、黒板に書いた問題を児童が見やすいようにカメラを移動したり、問題を説明する際には教諭のみの音声に切り替えるなど課題をチェックした。
授業後、伏見教諭は、「児童の反応を見ながら授業ができるので、通常の授業に近い環境で進められた。黒板に書く文字の大きさや、ゆっくり話すことに気をつけた」と語った。
また、授業に参加した横内花菜さんは、「久しぶりにクラスのみんなと授業ができて楽しかった。先生の声が聞こえにくかったりしたが、休みの期間中は、こういった授業をしてほしいと思った」と話した。
市教育委員会の佐藤道平教育課長は、「家庭によってネットワーク環境や通信機器の有無など、違いがある」とし、5月中旬までに在校生の各家庭のネットワーク環境や通信機器の有無を調査し、通信機器の貸し出しなどの課題を解消することにしているという。
今後は、オンライン授業を試験的に実施するため、学校や市が貸し出すモバイルルーターやタブレット端末などの数を把握し、「6月までには順次試験運用を行い、ICTを活用した家庭学習の環境を整えていきたい」と話している。
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