くらし

伝統文化を後世に 民映研映画上映し、6年目

 年に5回、須玉町下津金の古民家なかやで開催されている「満月の会 津金で民映研(民族文化映像研究所)映画を観る会」が6年目を迎えた。

同会は、全国各地の失われつつある伝統的な暮らしや祭り、技を記録した民映研映画の鑑賞を通して、住民が交流し、これからの地域を考えていこうと企画されたもので、2018年にスタートした。

民族文化映像研究所が半世紀近くに渡って製作した119本の映画作品から、これまでに約40作品を上映しており、作品に関連した郷土料理の提供や糸あやつり人形の上演会なども行ってきた。

2月6日は、白川郷・五箇山の合掌造りに重要な「小茅(こがや)」がどのように生産され、処理され、屋根材として活用されてきたかを追った「コガヤとともに」(54分)を上映。

岐阜県白川村荻町の人々が、標高700㍍から1000㍍の土地で焼畑農業による小茅の栽培を行い、大量の小茅を村へ下ろして屋根を葺(ふ)く姿が記録され、知恵や工夫が詰まった伝統的な作業を参加者は真剣な眼差しで見つめていた。

この「津金で民映研映画を観る会」は、25年ほど前に墨象アートや織物の作家の新郷笙子さん(76・長坂町)が中心となって活動していた「満月の会」が前身。

同日の上映会に参加した新郷さんは、「満月の会が復活し、活動を続けてくれていることをうれしく思う。歴史を知らないと人間は危うい。先人の知恵を知り、考えていくことはとても重要」と話した。