くらし

認知症の介護を講談で紹介

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張り扇を「パパン」と勢いよく叩き、リズミカルに話しを進める講談が、七月十八日、JR長坂駅前の魚光会館で開かれた。

この講談は、介護保険がスタートして、十周年を迎えたことを記念して、介護に関する講演を企画した有限会社ますだやと有限会社ほくと夢ポケットの共催事業として計画されたもので、講談家の宝井琴星さんと田辺鶴瑛さんを迎えて行われた。

当日は、「明日は我が身。介護する側、される側」をテーマ開かれ、百人以上が訪れた。

宝井さんは、古典講談として戦国時代の「三方ヶ原」の一節の「信玄鉄砲」を紹介。軽快な張り扇の音で調子を整え、戦国絵巻の世界に引き込んだ。

続く田辺さんは、「いざ、介護される時に、どういう心構えでいるか」と話しはじめ、自らの介護体験を語り始めた。

「介護の大変さには、この状態がいつまで続くか分からないというのがある」や、「認知症になったら、相手に合わせるように、介護側が変る必要がある」と話し、実母や義母の体験談に続き、九十歳になるという義父の介護で、どう向きあっているのかを細かく紹介。

「介護は我慢しない」、「介護になったら笑顔が出るように」、「完璧にやらない方がいい」と、まるで、親子が一緒になって化かしあいをしているかのような介護の展開と、介護に対する苦痛や不安を払拭するような語りに、会場からは大きな笑いと拍手が絶えなかった。

閉会のあいさつに立った夢ポケット代表の原富士子さんは、「(介護を)楽しく愉快にできるヒントがあった。愉快な介護をしていきたいと思います」と話した。