色彩豊かなインドネシアの更紗を展示
平山郁夫シルクロード美術館(平山美知子館長)では、現在、「神々のインドネシア展」と「日本の風景展」を開催している。
今回の「神々のインドネシア展」では、平山郁夫、美知子夫妻が、何度も足を運んで集めたというインドネシアの更紗や民芸品を紹介。インドネシアでは、服や巻きスカート、儀式用の腰布などに更紗を用い、鮮やかな模様の布で身体をまとって楽しんでいたといわれ、ろうけつ染めという手法を用いてジャワ島で作られた「ジャワ更紗」が80点展示されている。
海のシルクロードの要衝の地といわれるインドネシアは、現地の固有の文化と、インド、中国、日本、ヨーロッパなどの文化が混ざっており、飛行機や機関車が描かれた布や、友禅の模様、コーランの文字が描かれた布など、異文化の影響を大きく受けていたことが窺える。
また、インドネシアでは、娯楽と宗教的儀式が一体化して、日常的に仮面芝居や人形劇が行われ、古代の神々の物語が演じられていたとされ、仮面芝居や人形劇の際に使われたという木製の仮面と操り人形も展示されている。
仮面には、神や精霊などを象った面や悪霊払いの役割を担ったという動物面があり、色彩豊かで独特の表情が特徴的。操り人形とともに、インドネシアの民族性を表している。
さらに、今回は、平山郁夫氏がインドネシアのボロブドゥール遺跡を訪れた時に描いた水墨画とスケッチを展示している。平山氏の逝去後にアトリエから発見されたという水墨画とスケッチは、初公開となる。
一方、「日本の風景展」では、平山氏が桜を主題にして描いたという「吉野山」と「万葉月華図」をはじめ、熊野路や吉備路を描いた下図、京都や奥入瀬源流を描いた作品を公開しているほか、スケッチや小下図、大下図を展示している。
「神々のインドネシア展」は5月30日、「日本の風景展」は6月27日まで。
5月21日には、「『神々の島』バリ島の舞踊とガムラン音楽」が開かれる。午前11時、午後1時、3時に開演。参加は無料。
問い合わせは☎32-0225まで。