今と昔同じ夜空
みなさんは、日常の中でどんな時に夜空を見上げていますか。
日々の楽しみとして、行事のなかで、何かに悩んだり迷っている時に、思いがけない時に出会った夜空ほど、思い出に残っているのではないでしょうか。
私の体験話をすこし。
北杜市に引っ越してきて1年目の冬、自宅兼仕事場の我が家でのこと。
その日は未明に仕事を終え、仕事場の照明を落とし、家族が寝静まった母屋に戻ろうとしたとき、夜空が賑やかなのに気づいたのです。見上げたその夜空は、雲も月も無い満天の星空でした。
「おぉ、こんなに星が見えるんか」
我が家のまわりには外灯はなく、近所もいないので真っ暗闇です。
「今見上げている星空は、昔の人が見た星空に近いんかなぁ」とか思いながら、少し興奮気味でしばらく見上げていると、漠然と「星」に見守られている感覚になったのです。(見ているのは私なのに…)
その時抱えていた仕事の悩みやプレッシャー、疲れなど、とってもちっぽけなことのように思え、明日から気持ちを切り替えて頑張ろうという気持ちになったのを覚えています。
あのとき私に、見守られていると感じさせた星の力の正体は、今も分かりませんが、そんな不思議な包容力も星空の魅力なのでしょう。
私たちが今見ている星の光は遥か昔に光った光を見ています。人々が星を見始めたであろう時代から、今に至るまで、ほとんど変わることなく存在し続けている星々。星が普遍的な存在だからこそ、人々は星に願いや想いを託し、決意を誓い、星を心のよりどころ・道しるべとしてきたのではないかと想像するのです。
もうすぐ7月7日、七夕です。その日の月は、月齢十三日。満月に近いので明るくて星は見えづらいかもしれませんが、ぜひ、星空をながめてみてください。
(中内安紀徳)